×

AI支援による開発:AION Project公式サイト構築記録

AI支援による開発:AION Project公式サイト構築記録

はじめに

先日立ち上げた「AION Project」(AI生成音楽プロジェクト)の公式サイトを構築しました。本記事では、プログラミングの専門知識が限られている状態でも、AIアシスタント(Claude)との協働により、本格的なWebサイトを構築できた技術的プロセスを詳しく解説します。

AION Project ヘッダー画像

AION Project公式サイトの目的

「AION Project」は、AIを活用した音楽制作プロジェクトです。今回構築した公式サイトは、以下の3つのセクションを設けることで、プロジェクトの成果を広く公開するプラットフォームとして機能します:

  1. PORKBEATS – 架空の男性ユニット「PORKBEATS」による、AIで生成した音楽楽曲の試聴ダッシュボード
  2. イメージギャラリー – AI生成による多様なビジュアルアートのコレクション
  3. 実験室 – パスワード保護された実験的コンテンツスペース

技術的な開発プロセス

1. HTML/CSSの生成(コーディングスキル不要)

最初のハードルは、HTMLとCSSのコーディングでした。プログラミングの専門知識が限られていましたが、AIアシスタント(Claude)との対話を通じて、高品質なコードを生成できました。

実際の作業フロー:

  1. サイトのビジョンをAIに説明(ダークテーマ、モダンなレイアウト、特定のカラースキームなど)
  2. AIがHTMLとCSSの基本構造を生成
  3. 視覚的なフィードバックを提供し、AIと共に微調整

コーディングの知識がなくても、以下のようなプロフェッショナルレベルのスタイル定義が実現できました:

:root {
    --primary-color: #6200ea;
    --secondary-color: #03dac6;
    --dark-bg: #121212;
    --light-text: #f5f5f5;
    --card-bg: rgba(255, 255, 255, 0.05);
    --hover-effect: rgba(255, 255, 255, 0.1);
}

.gallery-card {
    background: var(--card-bg);
    border-radius: 15px;
    overflow: hidden;
    transition: transform 0.3s ease, box-shadow 0.3s ease;
    position: relative;
    height: 450px;
    display: flex;
    flex-direction: column;
    backdrop-filter: blur(10px);
    border: 1px solid rgba(255, 255, 255, 0.1);
    text-decoration: none;
    color: var(--light-text);
}

2. レスポンシブデザインの実装

モバイル対応は現代のウェブサイトには不可欠です。AIとの対話で、異なる画面サイズに対応するメディアクエリを簡単に実装できました:

@media (max-width: 768px) {
    .hero h1 {
        font-size: 2.5rem;
    }
    
    .hero p {
        font-size: 1.2rem;
    }
    
    .gallery-nav {
        grid-template-columns: 1fr;
    }
    
    .tool-item {
        width: calc(50% - 1.5rem);
    }
}

3. WordPressへの統合:子テーマ作成とファイルアップロード

WordPress環境への統合は、従来なら技術的に最も難しい部分でした。AIからの明確な手順ガイドにより、以下のプロセスがスムーズに進行しました:

  1. FTPクライアントでのファイルアップロード:
    • XServerのファイルマネージャにアクセス
    • /convivial.online/public_html/wp-content/themes/newscrunc-child フォルダを作成
  2. 子テーマの基本ファイル作成:
    • AIが生成した style.css コードをアップロード
    /* Theme Name: Newscrunch Child Theme URI: https://convivial.online/ Description: Newscrunchテーマの子テーマ Author: Your Name Author URI: https://convivial.online/ Template: newscrunch Version: 1.0.0 */ /* 親テーマのスタイルをインポート */ @import url("../newscrunch/style.css");
  3. functions.php へのショートコード追加:
    • AIが生成したPHPコードをコピー&ペーストするだけで実装完了
    <?php // 親テーマの機能を継承 add_action('wp_enqueue_scripts', 'theme_enqueue_styles'); function theme_enqueue_styles() { wp_enqueue_style('parent-style', get_template_directory_uri() . '/style.css'); } // 最新のArtタグが付いた作品を表示するショートコード function latest_art_works_shortcode($atts) { // ショートコード処理ロジック // ... } add_shortcode('latest_art_works', 'latest_art_works_shortcode'); ?>

4. デザインの動的調整とUI改良

初期実装後、いくつかのUI問題が発見されました:

  • ギャラリーカードの高さが不足して説明文が切れていた
  • ヒーローセクションの背景画像が適切に表示されていなかった

AIに問題を説明するだけで、具体的な修正コードが提供され、問題を迅速に解決できました:

/* 問題解決のためのコード修正例 */
.hero-overlay {
    opacity: 0.7; /* 0.3から0.7に上げて透明度を下げる */
    mix-blend-mode: normal; /* overlayからnormalに変更 */
}

.gallery-card {
    height: 450px; /* 400pxから450pxに増加 */
}

5. SVGグラフィックの生成と実装

サイトには「創作プロセス」を説明するセクションが必要でした。AIはSVGコードを生成し、視覚的なフローチャートを作成。このSVGをWordPressのメディアライブラリにアップロードし、ウェブページに埋め込みました:

創作プロセス図解

6. 外部サービス連携

AIツールセクションでは、使用している各AIサービスへのリンクを実装。AIが提案したリンク実装コードをそのまま利用:

<div class="tool-item">
    <a href="https://claude.ai/" target="_blank">
        <div class="tool-icon">💬</div>
        <h3>Claude</h3>
        <p>Anthropic社の高性能言語モデル。自然な対話と創造的なコンテンツ生成に優れたメインAIアシスタント</p>
    </a>
</div>

技術的障壁を克服するAIの強み

この開発プロセスで最も驚いたのは、従来なら技術者でなければ難しかった作業が、AIとの対話だけで実現できた点です:

  1. コード理解不要: HTMLやCSSの構文を理解していなくても、自然言語で説明するだけでコードが生成される
  2. デバッグの簡易化: 「このセクションがうまく表示されない」とだけ伝えれば、AIが問題を特定し解決策を提案
  3. 技術的障壁の低減: WordPressの子テーマ作成など、通常は専門知識が必要な作業が詳細ガイダンスで実現
  4. 視覚素材の作成: SVGなどのグラフィック要素もコード生成で実装可能

学んだこと:AIを活用した効率的な開発

このプロジェクトから得られた主な教訓:

  1. 明確な要件定義の重要性: AIに対して何を実現したいかを詳細に説明することで、より正確な結果が得られる
  2. 反復的なフィードバック: 生成されたコードを確認し、フィードバックを提供することで品質が向上
  3. 技術習得の加速: AIとの協働を通じて、HTMLやCSSの基本概念を実践的に学べる
  4. 複雑なタスクの分解: 大きな開発タスクを小さなステップに分解し、AIと一つずつ取り組むことが効果的

今後の技術的展望

AION Project公式サイトの次のフェーズでは、以下の技術的拡張を計画しています:

  1. JavaScriptによるインタラクティブ機能: 音楽プレーヤーの機能強化
  2. APIを活用したコンテンツ自動更新: 新しいAI生成作品の自動取り込み
  3. パフォーマンス最適化: 画像圧縮とキャッシュ戦略の実装
  4. アクセシビリティ向上: スクリーンリーダー対応とキーボードナビゲーションの強化

まとめ:AIによる技術民主化

AION Project公式サイトの構築経験は、AIによるウェブ開発の民主化を体現しています。プログラミングの専門知識がなくても、AIとの対話を通じて本格的なウェブサイトを構築できるようになりました。

特に印象的だったのは、HTMLコードの生成、CSSスタイリング、WordPressとの統合、SVGグラフィックの作成といった技術的タスクが、すべてAIガイダンスだけで実現できたことです。これはウェブ開発の未来を垣間見る体験でした。

最終的に完成したAION Projectサイトは、AIツールの可能性を紹介するだけでなく、AI自体がサイト構築の主要な協力者となるという、まさに理念と実践が一致したプロジェクトとなりました。


AION Projectの公式サイトは https://convivial.online/aion-project/ でご覧いただけます。

コメントを送信

CAPTCHA