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書評001.超AI時代の生存戦略(落合陽一)

書評001.超AI時代の生存戦略(落合陽一)

 2025年の正月は、掃除と買い出し以外には特にすることもなく、自宅で家族とのんびり過ごしていた。この機会にと手元にある書籍を色々と読み返しています。

 昨年末は、OpenAI社が12日間連続の新サービス発表を行い、月額30,000円というサブスクではあまり聞いたことがない価格でOpenAI o1 proをリリースした。世間(主にX上)、2025年にもAGIが誕生するのではないかとの期待と、おおよそ知的生産において人間が職を奪われるとの懸念が現実味を帯びたとの言説が吹き荒れた。そこで以前読んだこの本を改めて読み返すことにしました。

 この本は、メディアアーティストで研究者、教育者である落合陽一氏が2017年に出版した。
オンラインメディアへの寄稿文を加筆、再構築したもので、2017年当時における氏のパラダイム予想と、”ワークアズライフ”というマインドセットについて記されています。

この本のプロローグには次のように書かれていました。

「AIはAIとしての仕事を、人間は人間らしいクリエイティブな仕事をすればいい」という論調が僕は嫌いだ。(中略)コンピュータ親和性の低いクリエイターの持っているクリエイティビティよりも、コンピュータ親和性の高い人間のもたらすクリエイティビティが大きく成長しているのが現代であり、先ほどの論調を言い換えるなら、AIで自動化できる仕事をその地位に就いている人間から奪い、そこでできた余剰の資本を人機一体によりさらにクリエイティブを加速させ、他のコンピュータ親和性の高い専門家に注入して、より大きな問題を解決していこうとしている

落合陽一. 超AI時代の生存戦略 . 大和書房. Kindle 版.

今では当たり前の話のような気もしますが、ChatGPTが一般に公開されたのが2022年11月であることを考えると、この本が書かれた2017年に彼が予想していた未来は現在に非常に近いものであって、この本の内容は今なお有用な点が多いと思います。

私も、2017年にこの本を読んでから、落合氏の言うワークアズライフな生活を送るように努めてきました。ワークアズライフとは、仕事と生活を一体として捉え、余暇のようにストレスレスな環境で働けるように環境を整えていくということが重要という考え方です。

経営者的な生き方が、あらゆるビジネスパーソンに当然のこととして求められる時代であると言ってもいいかもしれません。

出典 落合陽一. 超AI時代の生存戦略 . 大和書房. Kindle 版.

この本にはこれからの時代を生きる、様々なヒントが記載されています。
中でも、私が今振り返って、その通りだったなと思ったのはこの言葉。

能力的に取り替え不可能な人類が存在しなくなったら、
趣味ぐらいしか差が見えなくなる

仕事になる趣味を「3つ」持て

落合陽一. 超AI時代の生存戦略 . 大和書房. Kindle 版.


生成AIの進歩により、個人でできることが飛躍的に増えました。
私は、趣味でサイトのデザインや生成AIによる動画コンテンツ制作を行なっていた事がきっかけとなり、勤めている会社のHP管理と広告制作のセクションを任されるようになりました。

エッセンシャルワーカーではない、知的生産を中心としたビジネスパーソンは、この本を再度読み返して、来るべきその時に備える必要があるのではないかと改めて思います。

落合陽一 超AI時代の生存戦略

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