Home Server / Self-host
SaaS依存を減らし、道具を手元に引き寄せるための土台。AI、自動化、ファイル管理を支える小さな自宅インフラです。
稼働中
なぜ手元に置くのか
クラウドサービスは便利ですが、価格改定やサービス終了に振り回されることがあります。データや仕組みを自分の手元に持っておけば、そういった変化に左右されにくくなります。
もう一つの理由は「学び」です。Linux、Docker、ネットワーク、サービス運用 — 自分でサーバーを動かすと、普段意識しない仕組みが見えてきます。壊れることもありますが、それも含めて学びになります。
このサイトの Convivial Tools で紹介しているツールの多くは、この自宅サーバー上で動いています。n8n も OpenClaw も、ここが土台です。
どんな構成で動いているか
特別な機材は使っていません。古いデスクトップPCを再活用したサーバーと、開発兼ローカルAI用の Mac mini の2台構成です。
メインサーバー
古いデスクトップPCに Ubuntu Server 24.04 LTS と CasaOS を導入。n8n、OpenClaw、Nextcloud、CouchDB などの常時稼働サービスを動かしています。SSD に換装して十分な速度で稼働中です。
ローカルAI用マシン
Mac mini(Apple Silicon)で Ollama を動かし、ローカル LLM の推論に使っています。クラウド API に頼らない AI 処理の実験場です。
ネットワーク
Tailscale VPN で全ノードを安全に接続。ポート開放なしで外出先からもアクセスできます。セキュリティと利便性の両立に役立っています。
何が動いているか
自宅サーバー上で稼働しているサービスの一覧です。
Nextcloud — ファイル同期
ファイル管理と WebDAV サーバー。Obsidian のバックエンドとしても使っており、iPhone・Mac・サーバー間のノート同期を支えています。
Ollama — ローカル LLM
Mac mini 上で動くローカル LLM 推論環境。クラウド API を使わずに AI 処理を手元で完結させる実験に使用。
CouchDB — Obsidian LiveSync
Obsidian の LiveSync プラグイン用データベース。複数デバイス間でノートをリアルタイム同期するための基盤です。
このサイトでの使い方
Convivial Tools で紹介している道具の多くが、この自宅サーバーの上で動いています。自動化の基盤であり、ローカル AI 運用の実験場であり、ファイルやノートの置き場でもあります。
「道具を手元に引き寄せる」というこのサイトのテーマを、最も物理的に体現している存在です。クラウドサービスを否定するのではなく、手元でも動く選択肢を持っておくことで、依存度を下げています。
はじめ方
古いデスクトップやノートPCでも、メモリ 8GB 以上・ストレージ 64GB 以上あれば十分に使えます。新しく買う必要はありません。
Ubuntu Server をインストールし、CasaOS を導入すると GUI で管理できるようになります。コマンドラインだけでも運用は可能です。
いきなり全部ではなく、まず1つ動かしてから次を足していきます。最初は n8n や Nextcloud など、すぐに実用になるものがおすすめです。
初期費用: 手持ちの PC を再活用するなら SSD の購入費(数千円)程度。中古 PC を新たに用意する場合でも 1〜3 万円程度です。
ランニングコスト: 電気代のみ(月数百円程度)。CasaOS は無料の OSS です。
運用してわかったこと
自由度は高いが、放置はできない
何でも自分で設定できる反面、ディスク容量、ログの肥大化、サービスの異常停止には自分で気づく必要があります。監視と制限の設定は必須です。
バックアップは仕組みにする
「後でやろう」は忘れます。Docker ボリュームのバックアップ、設定ファイルの Git 管理など、仕組みとして組み込んでおくことが大事です。
便利さよりも「持っている感覚」が大事
クラウドサービスの方が便利な場面はたくさんあります。それでも、仕組みの中身が全部見えること、自分で直せることの安心感は、使ってみて初めて分かりました。
自宅サーバー導入で使ったもの
実際にこのサーバー構成で使った機材と、選ぶ際に比較検討したものです。
※本ページには一部アフィリエイトリンクを含みます。紹介の有無にかかわらず、用途・向き不向き・代替案をできるだけ併記します。
2.5インチ SATA SSD(240〜500GB)
古いデスクトップPCの HDD を SSD に換装するだけで、OS 起動やサービスの応答速度が劇的に改善します。サーバー用途なら 240GB でも十分ですが、Docker イメージが増えることを考えると 500GB あると安心です。
SATA-USB 変換ケーブル / 外付けケース
SSD に OS をインストールする際、別の PC から書き込むのに使います。インストール後は不要になりますが、バックアップ用の外付けドライブとしても使い回せるので持っておくと便利です。
LANケーブル(Cat6 以上)
サーバーは Wi-Fi ではなく有線接続が基本です。Cat6 以上であれば通常の家庭内利用では速度差を感じることはほぼありませんが、安定性が段違いです。長さは設置場所に合わせて選んでください。
用語メモ
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| セルフホスト | サービスを自分のサーバーに設置して運用すること。データが手元に残り、サービス終了のリスクがない。代わりに運用の手間がかかる。 |
| CasaOS | 家庭用サーバー向けの管理 OS。Docker アプリの導入・管理を GUI で行える。無料のオープンソース。 |
| Docker | アプリケーションをコンテナとしてパッケージ化し、環境を問わず実行できる仕組み。サーバー上の各サービスはこの Docker で動かしている。 |
| Ubuntu Server | Linux ディストリビューションの一つ。サーバー用途に特化した版で、GUI を持たず軽量。長期サポート版(LTS)は安定性が高い。 |
| Tailscale | VPN サービス。ポート開放なしで複数のマシンを安全に接続できる。セットアップが簡単で、個人利用は無料。 |
| Ollama | ローカルマシン上で LLM を動かすためのツール。クラウド API を使わずに AI 推論を手元で実行できる。 |